2023年7月25日、井上尚弥とスティーブン・フルトンがスーパーバンタム級4団体統一戦を行った。
結果は、井上の8回TKO勝利。
まず、この対決で驚いたことが井上が調整試合を挟まず、いきなりフルトンと対戦したことである。
長くバンタム級にとどまり、階級アップが噂されてからはフルトンやアフマダリエフとの対戦が挙げられていた。いつかは彼らと戦うことになるとは思っていたが、ファンとしては驚くほどスムーズに強敵との対戦に踏み切ったと思う。
また、井上のケガの影響でフルトン戦が延期になった経緯があるが、井上との対戦を承諾したフルトンはリスクを負って井上の試合を受けたと称賛される声もあった。
正直、フルトンにとっては数億円にも上るファイトマネーが得られるこの試合はスルーするはずがなかったと思う。軽量級でありながら破格のファイトマネーが保証される井上と対戦できる機会はまたとなかったのではないか。
試合では、フルトンがアウトボクシングに徹するかと思われたが、意外にも井上と打ち合いに応じたことに驚いた。
井上がもし、不覚をとることがあるとすれば、フルトンのアウトボクシングをとらえきれずにアウトポイントされる場合だけだといわれていたからである。
今回、井上がスーパーバンタム級でも相手をしっかり倒しきることができることが証明された。
ディフェンスに定評があるフルトンを破ったのだから、スーパーバンタム級にも井上が苦戦する選手が見当たらない状態である。
フェザー級でも目標とすべき選手がいるかといえば、ぱっとしない感じがある。
やはり、4団体統一といった偉業はのちに語られるレガシーになるのは間違いない。
しかし、誰に勝ったかが重きを置くなら、井上でもさすがに無理なのではと言われる階級まで突き進んでほしい。
ガーボンタ・デービスやシャクール・スティブンソン、ロマチェンコなどアメリカでのスター選手とぶつかる日がくればボクシングの本場アメリカも揺れるのではないだろうか。
