2022年6月7日、井上尚弥とノニト・ドネアのバンタム級3団体統一戦が行われた。
結果は、井上の2回TKO勝利。
井上にとって、ドネアは因縁の相手だった。前回対戦したのは2019年11月7日、WBSS決勝では苦戦の末に判定勝利した。
ドネアは井上戦の敗戦後、井上拓真に勝利した無敗のウバーリからWBCタイトルを奪い、無敗挑戦者レイマート・ガバリョに防衛勝利している。
ドネアは38歳となるが、強さには陰りがないように見え、井上勝利の見方が大半であったが、決して簡単な勝負にならないことが予想されていた。
試合では、プレッシャーをかけるドネアに対し、井上は後退しながら応戦する慎重な出だしとなった。
そして、1ラウンド終盤、フェイントをかけて出した井上の右ストレートがドネアのこめかみをとらえ、ドネアはダウンを奪われる。
すぐさま立ち上がったドネアであるが、カウント中にファイティングポーズを忘れ、セコンドに促される場面があった。
2ラウンドに入ると、ドネアはダメージを引きずっていない様子であったが、井上とのスピード差が目立つ。井上は素早い踏み込みでパンチを見舞うと、すぐさまバックステップしてドネアの攻撃をかわす。
ガードを固めた状態では、ドネアのパンチがさほど怖くないのか、井上が自らロープ際に下がり、ドネアの攻撃を誘う。
そして、井上が放った左フックがドネアの顔面をとらえ、ドネアは足を引きずりながら後ずさる。ダメージは相当大きかったようで、そのあとは井上の猛攻を防ぎきることはできなかった。
最後は、井上の右ストレートと左フックを連打され、ドネアはマットに沈んだ。
文句のつけようがない圧勝劇であった。
今回井上は、再戦するドネアに対して勝ち方が問われた試合であったが、圧巻のパフォーマンスを見せ、ドネアとの因縁を完全に晴らすことができた。