2022年5月7日、サウル・アルバレスとディミトリー・ビボルのWBAライトヘビー級タイトルマッチが行われた。
結果は、ビボルの判定勝利。(115-113×3)
この試合はすごかった。僅差判定となったが、一方的な試合だったとみる声が多い。
スーパーミドル級を制覇し、泣く子も黙るスーパースターに君臨していたカネロが、遂に敗れた。
ビボルはとにかく目がよかったと思う。反応速度が速かったし、打てる場面では必ず打ちに出る。フットワークもよく、ガードをしっかり保ったまま体感がぶれない。ハンドスピードも速く連打もできる。
KO勝利こそ少なくパンチ力がないといわれているが、攻守ともに抜かりなく非常にバランスの取れた選手だと思った。
一方、カネロは唯一の黒星がメイウェザー戦であるが、当時まだ若かったカネロがメイウェザーのスピードに全くついていけなかった。
この試合でもカネロを攻略するには、フットワークでカネロを翻弄することだといわれていた。ビボルは絶えずガードを固め、フットワークで距離を保った。
そしてカネロの打ち終わりに手を出すなどカネロの被弾が目立った試合だった。
そして試合後印象的だったのが、勝利したビボルが笑顔で手を挙げる瞬間である。下馬評を覆しあのカネロに勝ったというのに実にクールである。
試合前、ビボルではカネロには勝てないと散々言われてきたが、カネロに勝ったことでいかに優れたボクサーであるか証明された。
また、カネロが強さの尺度としていかに象徴的であったか再確認できた。
ビボルもその実力が証明されたことで、ベテルビエフとの4団体統一戦をぜひ期待したい。